会計事務所の提供価値は変化している
会計事務所の提供価値は変化している
如水税理士法人 児玉 邦康様、増田 優奈様
会計事務所 福岡県 10~29名
このエントリーをはてなブックマークに追加
如水税理士法人 児玉 邦康様、増田 優奈様
2005年設立。如水グループの税務部門として企業・個人の税務をトータルでサポート。メンバーは、公認会計士・税理士の資格者をもつパートナー中心に構成。それぞれのパートナーが、強みを活かしたサービスを提供している。
また、アジアを中心とした会計人のネットワーク AicA 及び、中国アジア進出支援ネットワークに所属をし、企業の海外進出支援も行っている。

12年前の開業当初から「IT事務所」宣言

「如水グループ」について教えてください

児玉様 如水グループは、監査法人、税理士法人、社会保険労務士事務所、弁護士事務所が一体となり「One Josui」として地盤とする九州地域に貢献することを理念としています。おそらく九州でも珍しいタイプのワンストップ型士業事務所です。

児玉様がパートナー所長を務めている「けやき通り会計事務所」の方針をお聞かせください

児玉様 私どもの三大関与方針です。第 1に、5年先、10年先を考えたクライアントの健全な発展を支援します。第 2に、「見える会計」「見える数字」「見える経営」を支援します。第3に、顧問先の IT 化、電子申告を推進します。この 3つです。

「顧問先の IT 化を推進する」と明文化されている会計事務所は、そう多くはないと思います

児玉様 今から 12年ほど前になりますが、開業したての頃、いかに効率よく業務を進めていくかを考えたんです。それで、開業当初から「IT 事務所」宣言をして、クラウド会計やチャットツールの導入、電子申告を進めました。当時「ASP 会計」という名前のインターネット会計を利用して、お客様と双方向で会計帳簿を共有し、「Skype(※1)」を利用してテレビ会議で面談を行っていました。
通常の税理士事務所であれば、月に 1回、お客様を訪問する場合、午前中1件、午後 2件ぐらいがマックス。そうすると1ヶ月に訪問できるクライアント数は、3件 × 営業日数。さらに、1時間の訪問のために前後 30分ずつ移動に使うとして、1日あたり 3時間ほどになります。他にも記帳代行、決算書や申告書作成もあるので、実質的な営業日数が 10日程度と考えていくと、とても効率が悪い。
あの頃も、今でも、「訪問しないと、お客様との接点がないのでは?」と言われることは多いですが、月に 1回しか来ない先生よりも、かえってお客様の満足につながるのかなと思っています。私どもの事務所では、営業時間中はいつでもチャットでお客様と担当者がつながっています。一方で、訪問重視の会計事務所であれば、「いつ事務所に電話しても、先生がいない」といった不満をお客様に抱かせることもあるのではないでしょうか。
※ 1 Microsoft が提供するチャットコミュニケーションツール

先見の明がおありなのですね

児玉様 何よりの理由は、私に SE 経験があって IT に明るいこと、事務所を立ち上げたばかりで少人数だったことから、結果こうなったのかなと思います。

会計事務所の提供価値は変化している

クラウドツールの進化について、どのように感じていらっしゃいますか

児玉様 会計でいうと、今は「クラウド会計 2.0」と言えるでしょうね。1.0の時代は、既存のソフトをインターネット上で使わせるだけだったと思います。2.0の時代は、API による金融機関等や他のソフトとの連携と、AI による自動仕訳ができるようになった。さらにこの先、ビッグデータの活用、ブロックチェーン技術による三式簿記といったことが考えられると思います。

そのような拡張的な会計の世界に向かう中で、会計事務所はどうなっていくと予測されていますか

児玉様 ちまたで言われている通り、記帳代行といった単純作業の提供価値はなくなっていくと思います。そうすると、リアルタイム会計、しかも事実関係と整合性がとれたデータが会計事務所にあることになる。そして、そのデータを銀行がリアルタイムに活用していく。
今までなら、融資をお願いする場合、年度決算書や月次試算表を紙で提出していました。銀行側がクラウド会計の情報をリアルタイムに融資システムに取り入れて、その会社の実際の資金繰りの様子を分析できるようなるでしょうし、そのようなデータが数年溜まっていけば、「この会社はこの時期に運転資金が枯渇してくるので、このタイミングで融資を提案しよう」といった、本当に顧客のニーズにあった融資ができていくようになるのではないかと思います。
そのためにも、我々会計人は、銀行がいつその情報を利用しても大丈夫なように、クライアントの会計データを月次ではなく日々メンテナンスして、リアルタイムに信頼できるデータが取れるような状況をつくっていかなければならないと思っています。
会計事務所は、従来の役割とは違う新しい役割、たとえばユーザビリティの観点で多数の ITサービスの中から統合的に提案するコーディネーター的な要素も求められるでしょうね。「つながる」サービスを知るとともに、「つなげる」提案をしていきます。

平均年齢 66歳の顧問先でも、クラウドツールを使いこなせる

複数のクラウド会計ツールを扱っていらっしゃると思いますが、どのようなお客様の場合に「マネーフォワード クラウド会計」をご提案されていますか

児玉様 「マネーフォワード クラウド会計」は、経理担当者がいらっしゃるところが多いです。それまでお使いになっていた会計ソフトと、入力方法に大きく変わることがないので移行しやすいですね。

. 鹿児島の経理平均年齢 66歳という顧問先で「マネーフォワード クラウド会計」を導入されていると伺いました

児玉様 そちらのお客様は、経理が 3名で平均年齢が 66歳、最高齢が 73歳です。実は事業承継案件でもありまして、後継者がいないということで、ある会社から M&A を受けたんです。その買収元の会社が私どものお客様で、「マネーフォワード クラウド会計」ユーザーでした。リアルタイムで子会社管理をしたいというご相談を受けて、「マネーフォワード クラウド会計」と「ChatWork(※ 2)」を導入しまして、その担当者がこちらの増田です。
増田様 実際のサポート内容は、お客様の会社へお伺いし、「マネーフォワード クラウド会計」を開きながら一緒に設定をして、入力方法をお教えしました。正直、当たり前のことしかしていません。回数も 1回です。あとは、月次担当がチャットを使いながら、細かい質問に対応しました。
※ 2 ChatWork 株式会社が提供するチャットコミュニケーションツール

現地サポート 1回だけとは、すごいですね

増田様 チャットは 1か月で 300行くらいに達していますけど(笑) 私たちも正直、はじめは「大丈夫かな」と思っていました。導入後にそのお客様にヒアリングしたところ、クラウド会計の良かった点は、「なんの不安もなく操作できた」、「入力したものをインターネットを通じて、会計事務所と同時に見られて、具体的に問答ができるので効率がよくなった」。チャットの良かった点は、「気軽に質問しておけば、相手の都合で回答をもらえる」「電話と違って内容が残るのが良い」「証票を画像として貼り付けで簡単に送れるので便利」とおっしゃっていました。
さらには、「クラウド会計で経費分析ができたらもっと便利」「チャットで標題をつける機能があれば、過去の資料など検索が楽になると思う」といったお声までいただきました。このお客様を通じて、「便利さ」を求めるのに年齢は関係ないんだと感じました。私達も固定概念をなくすことが大切だと思います。
今後も、会計をはじめとした各種クラウドツールの導入を進めていきたいですね。お客様のご協力あってこそですが、申告期限 1カ月前に申告できたケースには感動しました。
クラウドツールは、会計事務所の働き方改革にも大きく貢献していると思います。事務所の定時が以前は 18時で残業があったところから、17時 45分に繰り上がっても定時で帰宅できているくらい、明らかに作業時間が減りました。

お知らせ
Tweet
このエントリーをはてなブックマークに追加