AI(人工知能)は士業にどのような影響を与えるのか?
AI(人工知能)は士業にどのような影響を与えるのか?
東京
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「AI」という単語がここ数年で急速に使われるようになってきました。

よく、「AIが我々の仕事を奪う」と言われることも多いですが、AIに代替される仕事とは何でしょうか。本日のセミナーには税理士の皆様に多くご参加いただいてますが、昨今の報道で将来的にAIに代替される仕事の代表格として、税理士や弁護士等の所謂、士業が挙げられることが多いですよね。
しかし、果たしてそうでしょうか。皆様もご関心事かと思いますので、本日はそのような話をさせていただければと思っております。

 

まず初めにアメリカのオックスフォードにある大学の教授が発表した「AIに代替される仕事の上位」をご紹介したいのですが、代替されうる可能性のある仕事の2位が「登記の確認・抄録」、8位が「納税準備作業」、12位が「データの入力担当者」でした。私が思いますに、こういった断片的な業務だけをくみ取って自動化のリスクがあると捉えられ、士業の仕事がAIにとって代わられると言われているのではないでしょうか。決して「弁護士」や「税理士」「司法書士」と断定的に言われているわけではないんですよね。

 

反対に同教授が「AIに代替されない仕事の上位」も発表していますが、1位は「治療セラピスト」、3位は「緊急事態マネージャー」、4位は「精神・依存症向けワーカー」でした。

これらから分かることは、単純に「自動化に強いか弱いか」といった基準であることが分かりますよね。例えば、色んな人が慌てているときにその場を采配する仕事である「緊急事態マネージャー」なんかは、人じゃないといけないと。これはその通りだと思いますね。

 


少し話変わりますがそもそも、「仕事」とは何でしょうか。仕事はいろんな業務の積み重ねでできていますよね。手続き業務もあれば単純作業の業務もあれば、コンサルティング業務もあります。

そういった業務のうち、一般的にいう単純作業は今後、確実に自動化されます。一方で所謂「付加価値」を創出できる仕事は人間でなければできません。その付加価値を創出できる仕事とは、例えば他者との協調性が求められる仕事であったり、相手を深く理解しないといけない仕事等、抽象的な仕事のことです。これはなぜかといいますと、機械は定義された作業しかできないからです。抽象的な仕事こそがこれから人間がさらに注力していかなければならない仕事と言えるのではないでしょうか。

 

実はマネーフォワードも創業当時、赤字が続いたときに、税理士の先生から助言と後押しをいただきまして、そのおかげで今があると思っています。そのようなアドバイスなんかはAIではできませんよね。

士業に関わるところで言えば、例えば弁護士さん。もちろん、話を聞いて弁護する仕事は人でなければなりません。ただし、判例を探したりする仕事についてはAIのほうが似たような判例を見つけるスピードは圧倒的に早いわけですよね。

他にも、税理士さんはその場でお金を産出できるわけではありませんが、やりくりのノウハウをよく知っていらっしゃいます。我が社がアドバイスいただいたように、そのようなノウハウを提供する仕事は今後も必ず必要です。

一方でデータ分析や集計といった作業はAIが代替するようになるため、先に述べたようなコンサルティング業務に時間をより一層割くことができるようになります。

 



私はこれからの働き方で大切なことは「不安」や「悩み」のヒアリングだと思います。「個人の不安、経営者の不安といかに向き合うか」これは人間しかできないことです。

今後の税理士さんの仕事の在り方としては、単純作業は全面的に人工知能、自動化ツールを活用することではないかと思います。その作業によって得られた情報に加え、個人や経営者からヒアリングした内容をもとにより一層、コンサルティングしていくことが大切なことではないでしょうか。

■ 講師プロフィール


瀧 俊雄 (株式会社マネーフォワード 取締役 Fintech研究所長)

1981年東京都生まれ。 慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村證券入社。野村資本市場研究所にて、家計行動、年金制度、金融機関ビジネスモデル等の研究業務に従事。スタンフォード大学経営大学院、野村ホールディングスの企画部門を経て、2012年、マネーフォワード創業。自動家計簿サービスアプリ「マネーフォワード」と、会計や給与計算、請求書発行などのバックオフィス業務向けアプリ「MFクラウド」シリーズを展開している。TechCrunch、ZDnet、日経デジタルマーケティング、週刊金融財政事情、ニッキンFIT誌等多数寄稿。

 

 

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