導入事例
クラウドという武器で明確な差別化ができ顧問先が増加
マネーフォワード クラウド公認メンバー
税理士法人 ビジネスナビゲーション
田中 宏征様
2012年4月設立。2016年9月、差別化のため、会計ソフトを「マネーフォワード クラウド会計」へ全面移行。
「マネーフォワード クラウド会計」導入と同時に株式会社BN Smart Back Officeを設立し、バックオフィス業務の一括受託を開始した。なお、顧問先のバックオフィスの効率化をさらに進めるために、「マネーフォワード クラウド」と親和性の高いクラウドツールの導入支援を実施している。
目的
業務改善・効率化
解決策
マネーフォワード クラウドの導入
付加価値業務
効果
顧問先500件すべてを「マネーフォワード クラウド会計」に切り替えられたそうですね
はい。2016年8月にプロジェクトがスタートし、9月から翌年の3月にかけて移行作業を実施したので、確定申告とぶつかるという、職員に恨まれそうなタイミングではありました。それでも、プロジェクトチームが移行作業全体を管理しながら、マネーフォワードの移行チームにもお力をお借りして、なんとかすべてを切り替えることができました。
ご決断にはどのような背景がおありだったのでしょうか
既存の会計ソフトに明確な課題はなかったのですが、事務所の経営がこのままというわけにはいかないだろうという問題意識がありました。顧問先数500件といっても小規模の事業者が多く、個々の契約金額も決して大きいものではありません。また、当事務所は相続など専門特化しているわけでもありませんので、新規クライアントが我々を選ぶ理由が何かという点を強く考えるようになりました。
その結果、「クラウド対応することで、税務という会計事務所の枠組みを超えて、広く中小企業と関わっていくこと」が選ばれる理由になるのではないかと思い至りました。それを実現するためには、バックオフィス業務の支援を行う必要性を感じたので、「マネーフォワード クラウド会計」への移行と同時にバックオフィス業務の受託を行う「株式会社BN Smart Back Office」を設立しました。
クラウド会計ソフトはいくつか比較検討されたのですか
マネーフォワードの営業担当の方に「マネーフォワード クラウド会計」のデモをしてもらう機会があったのですが、職員は「これはできないのか?」「あれもできないのか?」と、従来からのインストール型会計ソフトと比べてできないことを次々と挙げていましたね。どこの会計事務所でも同じだと思いますが、職員にとっては、慣れ親しんだ会計ソフトの方が使いやすいのは当然です。ただ、私が思うクラウド会計導入によるメリットは、既存ソフトと比較した使い勝手の向上ではありません。私から職員へ伝えたのはたった一言です。「会計ソフトの切り替えではなくて、ビジネスモデルの変更なんだ」と。それを聞いて諦めたのか(笑)、その後、私が何かを指示することもなく、職員自らプロジェクトチームを立ち上げ、やるべきことをリストアップし、勘定科目の統一から進めていってくれました。
短期間で移行を成功できたポイントはどこにあったと思われますか
マネーフォワードと共催で当事務所の見学会を2度実施し、そこでご参加いただいた方にもお話したのですが、ポイントは3つあると思います。
1つ目は、クライアントの目線でクラウド化のご提案をすることです。我々は、既存顧問先のほとんどが記帳代行で、クライアントに会計ソフト変更のお伺いを立てる必要がなかったのですが、仮にそうでなかったとしても「あのクライアントは入れやすそうだな」という事務所の都合ではなく、「あのクライアントなら喜んでくれそうだな」というクライアントの利便性を基準に選ぶと思います。クラウドを導入することでクライアントの業務のどこがどんな風に変わるのかを説明しながら、「マネーフォワード クラウド会計」だけにとどまらず広くクラウドツールをご提案していく。クライアントに「便利になった」と言っていただけたら、職員のモチベーションも上がりますよね。
2つ目は、数名に移行作業を集中させて「マネーフォワード クラウド会計」のエキスパートを作ることです。便利さを体感した人から他の人に広げていってもらうことが大事です。
3つ目は、「マネーフォワード クラウド会計」の特性に合わせた業務フローにすることです。既存の業務フローにシステムを当てはめるのではなく、システムに合わせた業務フローの変更が必要です。また、実際に利用を始めれば、個々人の細かな使い方の工夫が始まりますが、それを共有することが重要で、当法人の職員たちも自主的に勉強会を実施しているようです。
「マネーフォワード クラウド会計」導入後の事務所の変化をお聞かせください
まず、劇的に業務効率化が進んでいます。パートを含めて7人いた入力スタッフは4人になり、当法人の総務担当者も2人から1人になりました。総務担当だった職員には、バックオフィス受託業務に就いてもらっています。また、クラウドという武器を得たことで「業務効率化支援」という強みが生まれました。他の会計事務所と明確な差別化ができ、ご紹介案件が増えました。
「業務効率化支援」とは、先ほどのバックオフィス業務支援のことでしょうか
そうです。勤怠管理やレジシステムなど、「マネーフォワード クラウド」と連携できるクラウドツールを組み合わせた導入支援をしています。中小企業の業務効率化を支援できるということを認知してもらえるようになったため、税務顧問は締結できなくても、「業務効率化支援」のみのご紹介もいただけるようになりました。
実際に複数のクラウドツールを組み合わせてご利用されているお客様はどのような方ですか
例えば、社長のお母様で経理をご担当されている70代の方でも「便利になった」と喜んでくださっています。そのクライアントは、子育てのために勤務時間が限られている地元の主婦などを在宅スタッフとして100人規模で抱えて、試験の採点やホームページの作成・更新などのデジタル作業を請け負っています。「マネーフォワード クラウド給与」、「マネーフォワード クラウド会計」、勤怠管理ソフト「KING OF TIME」を、IT導入補助金を利用してご導入いただきました。初期設定をこちらで行いましたが、毎月の操作方法をお伝えしただけでスムーズにご利用いただいています。「新しいことを覚えられて楽しい」とおっしゃっているので、クラウドツールに年齢は意識しなくて良いと思います。
従来の会計事務所の業務イメージとはずいぶん違いますよね
「ソフトウェア屋さんですか?」とクライアントに言われることも、しばしばあります(笑)でも、これこそまさに目指していた方向性なのでうれしいお言葉ですね。中小企業の経営者にとっては人手不足だけでなく、収益性を向上させるためのコンサルティングを頼む余力がないことも悩みの種です。金融機関とともに中小企業を支援できるようになりたいと思っていましたが、クラウドツールの導入支援をすることで、人手不足を解消しつつ、企業の収益性向上のお役に立てるようになりました。今後は「クラウドと言えば“ビジナビ”」と言われるようになっていきたいですね。
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